← ブログ一覧へ

ソフトボール投げの平均は?小学生の学年別・男女別の目安と、遠くに投げる体の使い方

公開 2026.10.23投手専門コーチ 野村亮太

よく晴れた広い運動場で、青い無地のユニフォームの子どもが大きくふみ出してボールを遠くへ投げている後ろ姿。投げたボールが空に写っている。画面の左手前で保護者が見守っている。背景の木立や山並みはやわらかくぼかしている

「ソフトボール投げ、うちの子は平均より下だった……」——学校の体力テストの結果を見て、少し心配になっていませんか。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。元独立リーグの左腕で、今は小・中学生のピッチャーを専門に見ています。

結論: ソフトボール投げの平均は「学年の目安」です。優劣を決めるものではありません。

平均より下でも、心配しすぎなくて大丈夫。記録は体の使い方で大きく変わります。

カギは「腕の力」ではなく「下半身から順に力を伝えること」。その見方と、家でできるチェックまでお伝えします。

この記事でわかること:

  • ソフトボール投げの学年別・男女別の平均の目安(スポーツ庁の最新データ)
  • 平均の数字の正しい見方と、中学で記録が下がって見える理由
  • 遠くに投げる体の使い方と、家でできるチェック・ドリル

ソフトボール投げの平均は?小学生の学年別・男女別の目安

まずは結論から。学校の体力テストの「ソフトボール投げ」の平均です。

下の表は、スポーツ庁「令和7年度 体力・運動能力調査」の年齢別の平均値です。

ソフトボール投げ 平均(小学生の目安・単位:m)

年齢(学年の目安)男子女子
6歳(小1ごろ)約8.6m約5.6m
7歳(小2ごろ)約11.8m約7.4m
8歳(小3ごろ)約15.7m約9.5m
9歳(小4ごろ)約19.2m約11.6m
10歳(小5ごろ)約22.2m約13.5m
11歳(小6ごろ)約25.5m約15.4m

ソフトボール投げの学年別平均をあらわした棒グラフ。6歳から11歳まで、男子・女子ともに学年が上がるほど記録が伸びていく様子を示している

表のとおり、平均は学年が上がるほど大きく伸びます。

同じ令和7年度でくらべると、小1の平均と小6の平均は、男子で約3倍、女子で約2.8倍もちがいます。

これは同じ子を追いかけた数字ではなく、学年ごとの平均をならべたものです。それでも、学年が上がれば記録はしっかり伸びていくことが分かります。

つまり「今、平均より下か上か」より、「去年より伸びているか」を見てあげるほうが、ずっと意味があります。

※学年はおおよその目安です。調査は年齢で区分されています。

平均より下でも心配いらない3つの理由

「平均より下」という言葉だけで、落ちこまないでください。

理由は3つあります。

① 記録は「体の使い方」で大きく動くから

ソフトボール投げは、腕の強さを測るテストではありません。

下半身から順に力を伝えられるかどうかで、同じ子でも数メートル変わります。体の使い方は、これから十分に伸ばせます。

② 測り方で記録が変わるから

このテストには、こまかいルールがあります。

  • 直径2mの円の中から投げる
  • 2回投げて、良いほうの記録をとる
  • 距離はメートル単位で、1m未満は切り捨て

つまり「あと少しで○m」でも切り捨てられます。1回目にうまく投げられなくても、2回目で変わります。測り方を知っておくだけで、見方が変わります。

③ 平均そのものが、昔より下がっているから

じつは、学校のボール投げの記録は昔より下がっています。この体力テスト(正式には「新体力テスト」)が始まったのは平成10年ごろ(1998年前後)です。

スポーツ庁の調べでは、そのころと今をくらべても、ボール投げは低い傾向が続いています。

外で思いきり投げる機会が減ったことが理由といわれます。平均を超えること自体が、目的ではないのです。

中学で急に記録が下がるのはなぜ?

「小6で25mだったのに、中1で18m……下がった?」

これは、お子さんが弱くなったわけではありません。種目が変わるからです。

中学生以上(12〜19歳)は、ソフトボール投げではなくハンドボール投げで測ります。

ハンドボールは、ソフトボールよりずっと大きくて重いボールです。

ボール大きさ(まわりの長さ)重さ
ソフトボール1号(小学生)約26〜27cm約136〜146g
ハンドボール2号(中学生〜)約54〜56cm約325〜400g

重さは2倍以上。だから距離が短くなって当然なのです。

ハンドボール投げ 平均(中学生の目安・単位:m)

年齢(学年の目安)男子女子
12歳(中1ごろ)約18.5m約11.8m
13歳(中2ごろ)約21.7m約13.2m
14歳(中3ごろ)約24.2m約13.9m

(スポーツ庁「令和7年度 体力・運動能力調査」より)

小学校と中学校の数字を、そのまま比べないであげてください。

遠くに投げるコツは「腕」ではなく「下半身から」

ここからが本題です。どうすれば遠くに投げられるのか。

結論は、全身を下から順に使うこと。腕の力だけではありません。

日本スポーツ協会がまとめた「投げ方を見るポイント」でも、良い投動作として次の4つが挙げられています。

  • ステップ脚(投げる腕と反対の足)が前に出る
  • 上半身をひねって、投げる腕を後ろに引いている
  • 軸足(後ろで体を支える足)から前足へ体重が移っている
  • 腕をムチのように振っている

遠くに投げるときの力の伝わる順番を示した図。地面から軸足、腰の回転、胸・肩、腕のムチ、ボールへと、力が下から上へ順番に伝わっていく流れを矢印であらわしている

ポイントは順番です。

地面→軸足→腰→胸→腕、と下から順に力がつながると、腕は最後に「ムチのように」しなって、ボールが遠くへ飛びます。

腕だけで投げると、なぜ飛ばないのか

逆に、下半身を飛ばして腕だけで投げると、力が途中で漏れます。

これは研究でも分かっていることで、前の足でしっかり地面を「止める」投手ほど、体の力が腕へ伝わりやすいとされています。

前の足がぐにゃっと曲がって沈むと、せっかくの勢いが地面に逃げてしまうのです。

投げ出す角度は「斜め上」が目安

投げる角度が気になる方もいるかもしれませんが、角度は気にしすぎなくて大丈夫です。

遠くへ飛ばすなら、真横でも真上でもなく斜め上。強いて言えば30〜40度くらいが目安です。

ただし角度は「結果」です。数字にこだわるより、斜め上の目印に向けて、下半身から投げる感覚を大切にしてください。

遠くへ投げる力そのものを伸ばしたい方は、遠投(ロングスロー)のやり方もあわせてどうぞ。

家でできるセルフチェック

お子さんが「下半身から投げられているか」、家で確かめられます。

キャッチボールやボール投げを、横から見てあげてください。次の3つを見ます。

  1. ステップ:投げる前に、前の足が投げたい方向へしっかり一歩ふみ出せているか(ちょこんと小さいステップはNG)
  2. 前の足:投げた後、前のヒザがぐにゃっと曲がって沈みこんでいないか(体を支えられていれば合格)
  3. 腕の順番:下半身が動いてから、腕があとから出ているか(腕が先に出ていたら手投げのサイン)

家で見るときの目安は、10球のうち7〜8球くらいで3つがそろうこと。 完ぺきでなくて大丈夫です。

できていない項目があっても、しかる必要はありません。どこで力が抜けているかは、人によって違うからです。

ただ、投げ方は一瞬の動きなので、横から見ても分かりにくいことがあります。そんなときは、スマホで動画を撮ると一気に見やすくなります。

横から・後ろからの2方向で、ゆっくり投げるところを撮っておくのがおすすめです。

遠くに投げる体をつくる家ドリル4つ

セルフチェックで気になった点を、家で直していきましょう。

特別な道具はいりません。公園や庭で、親子でできるものばかりです。

練習の前に、子どもがボールの握りを確かめている手元のアップ。指先が縫い目にかかっている

① 1歩ステップ投げ(体重移動をおぼえる)

助走なしで、軸足に立つ→前の足を大きく一歩ふみ出す→投げる、を区切って行います。

  • 回数:5球 × 2セット
  • 親のチェック:軸足から前足へ、体重がしっかり乗りかわっているか
  • できているサイン:投げ終わりに、体が前の足の上に乗っている

② 大きくふみ込むキャッチボール(前の足で止める)

いつもより半歩大きくふみ込んで投げます。前の足で体を受け止める意識です。

  • 回数:10球 × 2セット
  • 親のチェック:投げた後、前のヒザがぐにゃっと曲がって沈んでいないか
  • できているサイン:ふみ込んだ足で、大きくふらつかずに前を向いて止まれる

③ 山なりロングスロー(斜め上の角度をおぼえる)

遠くの目印に向けて、ふわっと山なりに投げます。全力ではなく7割の力で。

  • 回数:5球 × 2セット
  • 親のチェック:斜め上へ放り上げる軌道になっているか
  • できているサイン:まっすぐ地面へたたきつけず、山なりで遠くへ届く

④ 胸を張るひねり投げ(上半身のひねり)

投げる前に、胸を投げたい方向と反対へ張って(ひねって)から投げます。

  • 回数:10球 × 2セット
  • 親のチェック:体が早く前を向いてしまう「開き」が早くないか
  • できているサイン:胸が最後まで我慢して、腕が後からムチのように出てくる

ドリルは一度に全部やらず、1日1〜2種類で十分です。

下半身の使い方をもっと知りたい方は、下半身を使った投げ方と前の足(踏み込み足)の使い方もご覧ください。

やりがちなNGと、正しい方向

良かれと思った声かけが、逆効果になることがあります。

NG①「もっと腕を強く振れ!」

→ 腕だけに力を入れても、下半身とつながっていなければ力は伝わりません。大事なのは順番で、下半身から先に動かします。

NG②「歩幅をもっと広げろ!」

→ 歩幅は「広げる」ものではなく、軸足でしっかり押した「結果」として自然に広がるものです。無理に広げると、前のヒザが沈んで力が漏れます。

NG③ 記録を伸ばそうと、全力投げを何十球もくり返す

→ 遠投の全力投球は、肩やひじへの負担が大きい動きです。数で押すのは逆効果になりかねません。

痛みがあるときは、まず投げるのを止めて

遠くへ投げる練習は楽しいものですが、安全が最優先です。

投げていて、肩やひじに痛みが出たら、その日は投球をやめてください。痛みが続くときは、早めに整形外科(できればスポーツ整形)を受診しましょう。

また、記録を伸ばしたいからと、毎日たくさん投げるのは禁物です。

成長期の肩・ひじにとっては、球数や疲れの管理がいちばんの故障予防になります。くわしくは投げすぎを防ぐ球数の目安をご覧ください。

数字より「体の使い方」を見てあげてください

ソフトボール投げの平均は、あくまで目安です。

大事なのは、平均を超えることではなく、下半身から力を伝える体の使い方を身につけること。それができれば、記録は自然とついてきます。

ただ、どこで力が抜けているかは、お子さんによって本当にさまざまです。

ステップなのか、前の足なのか、体の開きなのか——力が漏れる一瞬は、動画をコマ送りで見ないと、正確には分かりません。

動画をコマ送りで見れば、力が抜けている場所を一つずつ確かめられます。

投Laboでは、初回の動画分析を無料で受けていただけます。

お子さんが投げるところを横と後ろから撮って、無料フォーム分析に送ってみてください。根性論ではなく、「なぜ飛ばないのか」という原因からお伝えします。

一生投げ続けられる体を守ることを第一に、直すところは一度に一つだけ。まずはお子さんのフォームを、外の目で見てもらいませんか。

まとめ

  • ソフトボール投げの平均は「学年の目安」。平均より下でも心配いらない
  • 記録は体の使い方で大きく変わる。「今の数字」より「伸びているか」を見る
  • 中学で記録が下がって見えるのは、重いハンドボールに種目が変わるから
  • 遠くに投げるカギは腕の力ではなく、下半身から順に力を伝えること
  • どこで力が抜けているかは子どもごとに違う。迷ったら動画で見てもらうのが近道

よくある質問

Q. 「ジャベリックボール投げ」の平均は、ソフトボール投げと同じですか?

別物なので、同じ数字では比べられません。

ジャベリックボールは、やりに似た形のやわらかいボールで、一部の陸上大会で使われます。

ただ、学校の体力テストは今もソフトボール投げが基本です。学校の記録を見るときは、ソフトボール投げの平均と比べてください。

Q. 平均より下だと、野球に向いていないのでしょうか?

向き・不向きは、今の記録では決まりません。

成長のスピードには個人差があり、体が大きくなる時期に一気に伸びる子も多くいます。

今の数字より、体の使い方を楽しく覚えられているかを見てあげてください。

Q. 遠くに投げられるようになるのは、何歳ごろからですか?

体の成長とともに、だんだん伸びていきます。

令和7年度の平均でくらべると、小6の記録は小1の約3倍です。とくに体が大きくなる時期は、力の伝え方を覚えると一気に伸びやすくなります。

小さいうちは数字を競うより、正しい体の使い方を優先しましょう。

Q. 遠くに投げる練習は、肩やひじに負担になりませんか?

全力の遠投を何十球もくり返すのは、負担になります。

このテスト対策でも、全力投球は多くて数球で十分です。あとは7割くらいの力で、体の使い方を覚える練習に時間を使ってください。

球数と疲れの管理が、故障予防の基本です。

Q. 家に測る円や扇形がなくても、練習できますか?

できます。家の練習では、距離を正確に測る必要はありません。

大事なのは「下半身から投げる感覚」です。公園で目印に向かって投げたり、親子のキャッチボールでステップを意識したりするだけで十分です。

正確なフォームのチェックは、スマホで撮って見る方法が手軽でおすすめです。