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ピッチャーの投げ方は4種類|オーバースロー・サイドスローの違いと選び方

2026.08.02投手専門コーチ 野村亮太

夕方のグラウンドで、少年野球の左投げピッチャーが逆光のなか、片脚を踏み出してボールを持った腕を高く上げ投げ込む全身の一場面。腕の角度が横からはっきり伝わる構図で、顔は帽子のつばと逆光の影で特定できない

「うちの子の投げ方、これで合ってる?」

お子さんの投げ方を見て、こんなふうに感じたことはありませんか。

  • 「上から投げる子もいれば、横から投げる子もいる。どれが正解?」
  • 「テレビで見たサイドスローにしたら、うまくなるのかな」
  • 「今の投げ方のままで、このままでいいのか心配」

ピッチャーの投げ方には、いくつかの「型」があります。でも、どれが良い・悪いと単純に決まるものではありません。

この記事では、投げ方の4つの種類とその違い、そして子どもはどう選べばいいかを、野球未経験の保護者の方にもわかるようにやさしく整理します。

元独立リーグの左腕投手として

はじめまして。投Laboの野村亮太です。浦和学院から大東文化大学を経て、独立リーグで左投手としてプレーしていました。

体も大きくなく、力も強くありませんでした。それでも投げてこられたのは、自分に合った自然な投げ方を大切にしてきたからです。

投げ方の「型」は、無理に当てはめるものではありません。まずはその子の自然な角度から——これが、怪我をさせずに伸ばす土台だと考えています。

結論: ピッチャーの投げ方は、腕の角度(正しくは体の傾き)で主に4種類に分かれます。

  • オーバースロー(上から)/スリークォーター(斜め上から)/サイドスロー(横から)/アンダースロー(下から)

子どもは、無理に角度を変えず自然な形を大切に。迷ったら、多くの子に無理が少ないオーバー〜スリークォーター寄りが基本です。大切なのは角度そのものより、再現性・脱力・下半身の使い方です。

投げ方は主に4種類(「腕の角度」=体の傾き)

投げ方は、ボールを離すときの腕の高さ・角度で呼び分けます。上から順に、次の4つです。

  1. オーバースロー(オーバーハンド)=上から振り下ろす
  2. スリークォーター=オーバーとサイドの中間、斜め上から
  3. サイドスロー=腕を地面と平行くらいにして横から
  4. アンダースロー=下から上へ、すくい上げるように

ひとつ正直にお伝えすると、この違いは「腕だけを曲げて作る」ものではありません。実際は体の軸(背骨)の傾きで自然に決まります。

だから、腕だけを横に振っても、それは本当のサイドスローにはなりません。この点は、あとで「選び方」のところで大切になります。

ピッチャーの投げ方4種類を、腕の角度の目安とともに4つのパネルで並べた図。左上=オーバースロー(上から・角度の目盛りはほぼ真上、日本で一番多い/無理が少ない)、右上=スリークォーター(斜め上から・中間、バランスがよい/自然な子が多い)、左下=サイドスロー(横から・水平、コントロールや横の変化)、右下=アンダースロー(下から・低い角度、希少で球速は出にくい)。各パネルに小さな角度の目安ダイヤルと一言の特徴を添える。人物は描かず、角度の目安と文字だけで示す

4つの投げ方の特徴(早わかり表)

言葉だけだと分かりにくいので、特徴を表にまとめます。

投げ方腕の角度よく言われる特徴
オーバースロー上から日本で一番多い。球速や角度が出やすく、体に無理が少ないとされる
スリークォーター斜め上からオーバーとサイドの中間。バランスがよく、自然にこの形になる子が多い
サイドスロー横からコントロールが安定しやすい。横の変化や独特の見え方が武器になる
アンダースロー下から数が少なく希少。球速は出にくいが、タイミングを外しやすい

大切なのは「どれが一番いいか」ではありません。その子が自然に、無理なく振れる角度があるということです。

子どもは「どの投げ方」を選べばいい?

保護者の方が一番気になるのは、ここだと思います。結論から言うと、答えはシンプルです。

まずは、その子が自然にできる投げ方を大切にする。 これが基本です。

多くの子は、意識しなくてもオーバー〜スリークォーターあたりの自然な角度に落ち着きます。これは骨格的に無理が少なく、球速もコントロールも出しやすい形です。迷ったら、まずここを土台にしましょう。

サイドスローやアンダースローといった「変則」は、本人にしっくり合えば大きな武器になります。ただし、あこがれだけで無理に角度を変えるのはおすすめしません

とくに成長期は、いろいろな型を試すより、まず一つの形で再現性(毎回同じ動き)を作るほうが伸びます。課題を一度に増やさないことが、上達の近道です。

よくある誤解:「サイドにすれば肘にやさしい」

「横から投げれば肩や肘の負担が減る」——そう聞いたことがあるかもしれません。でも、ここは慎重に考える必要があります。

投げ方の角度と怪我の関係は、実はスポーツ医学の研究でもはっきり決着していません。ある角度で肘の負担が減っても、別の場所(肩など)の負担が増える、という報告もあります。

つまり「サイドにすれば安全」とは、一概には言えないのです。

むしろ、投げ方の種類より気をつけたいのは次の2つです。

  • 肘が肩のラインより下がっていないか(=いわゆる肘下がり。角度より、こちらのほうが負担に関わります)
  • 投げすぎ・疲れがたまっていないか(怪我のいちばんの原因は投げすぎです)

痛みや不安があるときは、投げ方を変える前に、まず休んで医療機関に相談してください。角度をいじって痛みをごまかすのは、いちばん避けたいことです。

投げ方より大事なのは「土台」

ここまで4つの型を紹介してきましたが、いちばんお伝えしたいのはこれです。

角度が何であれ、良い投げ方の土台は同じだということ。オーバーでもサイドでも、大事なポイントは変わりません。

腕の角度を気にする前に、まずこの土台を整える。そのほうが、球速もコントロールも伸びていきます。

投Laboの考え方:型に当てはめない

私が指導で大切にしているのは、「この型にしなさい」と押しつけないことです。その子の自然な動きを土台に、下半身や脱力を一緒に整えていきます。

投げ方は、気合や根性で「かっこいい型」に変えるものではありません。直したい点が多くても、一度に直すのは1つだけで大丈夫です。

フォームは自分では見えません(初回の動画分析は無料)

「うちの子の投げ方(腕の角度)は、無理がないだろうか?」——これは、次の理由でとても気づきにくいものです。

  • 投げている本人からは、自分の腕の角度が見えない
  • 保護者の方が横から見ても、速い動きの中では肘の高さまで見極めにくい

投Laboでは、スマホで撮った投球動画を送るだけ。投手専門のコーチが、無料でフォームを分析します。腕の角度が本人に合っているか、肘が下がっていないかなど、いっしょに整理します。

「今の投げ方のままでいいのかな」と感じたら、まずは一度、動画を見せてください。撮り方はスマホでの投球フォームの撮り方でも紹介しています。

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まとめ

  • ピッチャーの投げ方は主に4種類(オーバースロー・スリークォーター・サイドスロー・アンダースロー)
  • 違いは腕の角度だが、正しくは体の軸の傾きで自然に決まる
  • 子どもは無理に変えず、自然な形を大切に。迷ったらオーバー〜スリークォーター寄りが基本
  • 「サイドにすれば安全」とは一概に言えない。角度より肘下がり投げすぎに注意
  • どの角度でも、土台(下半身・脱力・再現性)は同じ

投げ方の「型」より、まずはお子さんの自然な動きを、やさしい目で見てあげてください。基本の投げ方については正しい投球フォームの基本もあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. 子どもの投げ方(腕の角度)は、変えたほうがいいですか?

基本は、無理に変えないほうがよいと考えています。多くの子は、自然に無理のない角度に落ち着きます。

見た目のかっこよさだけで変則(サイド・アンダー)にするより、まずは自然な形で再現性を作るほうが伸びます。気になるときは、変える前に動画で確認するのがおすすめです。

Q. サイドスローにすると、肘や肩の負担は減りますか?

一概には言えません。 ある角度で肘の負担が減っても、肩の負担が増えるという報告もあり、研究でも決定的なことは分かっていません。

投げ方の種類より、肘が下がっていないかや投げすぎのほうが大切です。痛みがあるときは、角度を変える前に休んで医療機関に相談してください。

Q. うちの子はアンダースロー(変則)にあこがれています。やらせていい?

本人が自然にできて、しっくり合うなら、変則は大きな武器になります。数が少ないぶん、打者にとってはやりにくい相手だからです。

ただし成長期は、まず一つの形で土台(再現性・下半身・脱力)を作るのが先です。挑戦するなら、指導者と相談しながら少しずつ進めてください。

Q. スリークォーターとオーバースローは、どう違うのですか?

腕(体)の傾きの差です。オーバースローは上から、スリークォーターはその少し斜め下から振り下ろします。

スリークォーターは中間でバランスがよく、多くの子が意識せず自然にこの形になります。どちらも基本の投げ方として無理が少ないとされています。