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シャドーピッチングのやり方|タオルの作り方と効果・回数の目安【小・中学生】

公開 2026.06.27更新 2026.09.15投手専門コーチ 野村亮太

明るい室内で、ボールを持たずに投球フォームの練習(シャドーピッチング)をする少年野球選手。フォロースルーで振り切った姿。そばにスマホを立てた三脚と姿見の鏡があり、フォームを確認している

「家でフォームを良くしたい。でも毎日投げ込ませるのは、球数も怪我も心配……」という保護者の方へ。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。元独立リーグの左投手として、私自身もシャドーピッチングにずいぶん助けられてきました。

結論:

  • シャドーピッチング=ボールを持たずに、投球の動きだけをくり返す練習
  • 手ぶらは「ゆっくり形を作る」、タオルは「最後まで振り切る感覚」づくりに使い分ける
  • コツはゆっくり・正しく・少ない回数。タオルを全力で振ると肘の負担は意外と大きいので、回数を数える

この記事でわかること:

  • シャドーピッチングの正しいやり方と、タオルの作り方・握り方
  • 1日に何回やればいいか、の目安
  • 効果が出ているかを家で確かめるチェックとメニュー

シャドーピッチングとは

シャドーピッチングとは、ボールを持たずに、投球の動きだけをくり返す練習です。「シャドウピッチング」と書くこともありますが、同じ練習のことです。

ボクシングのシャドーボクシングと同じで、相手(ボール)がいない状態で、体の使い方だけをみがきます。

やり方は大きく2つあります。

種類やり方向いている目的
手ぶら何も持たずに投げる動きをする形をゆっくり確かめる・覚える
タオルタオルを握って投げる動きで振る腕を最後まで振り切る感覚をつかむ

なぜ効くのか = 効果と、正直な限界

シャドーピッチングが育成年代にすすめられる理由は、3つです。

  • 球数を増やさない:ボールを投げないので、投げすぎの心配をせずに練習量を確保できる(球数と休養の目安)
  • 動きそのものに集中できる:ボールの行方を気にしなくていいぶん、形に意識を向けられる
  • コントロールにつながる:コントロールの正体は、毎回同じ動きができること=フォームの再現性

研究でも、タオルを振るシャドーは、投球練習の中で実際の投球にいちばん動きが近いと報告されています。少人数の研究なので、目安として受け取ってください。

手ぶらシャドーの弱点

正直にお伝えしたい弱点もあります。高校生を調べた研究では、手ぶらのシャドーは、ボールを離す位置が実際の投球より前にずれやすいと分かっています。

投げる先がないと、腕を振る位置があいまいになるのです。

だから後で紹介するように、投げる先に目印を置くのが大事になります。

正しいやり方(4ステップ)

投球を4つのコマに分けて、1つずつ確かめながら動きます。

  1. 軸足でまっすぐ立つ:投げる側の足(軸足)に体重を乗せ、ぐらつかずに立つ
  2. 踏み出す:反対の足をキャッチャー方向へ出しながら、両腕がゆっくり離れていく
  3. トップから投げる:トップ(腕を後ろで引き上げた、投げる直前の形)で胸を張り、下半身から順に回して腕を振る
  4. 振り切って止まる:最後まで振り切り、投げ終わりの形でピタッと止まる

ポイントは、鏡の前か、スマホで撮りながらやることです。フォームは自分では見えないので、見ながら直すのが近道です(スマホでのフォームの撮り方)。

タオルの作り方と握り方

使うのは、家にあるフェイスタオル(手をふく普通のサイズ)で十分です。握り方は、よく使われるやり方が2つあります。

作り方A:端を結んで握る

  1. タオルの端を、ボールくらいの大きさに結ぶ
  2. 結び目を、ボールを握るときと同じ指(親指・人差し指・中指)で持つ

握りがボールに近くなるので、「ボールを持っている感覚」で振りたい子に向いています。

作り方B:真ん中を指にかける

  1. タオルの真ん中を、人差し指と中指にかける
  2. 親指でそっと押さえて、ボールを握る形にする

結ばなくていいので手軽です。どちらが正解ということはないので、本人が振りやすいほうを選んでください。

注意:重いバスタオルや、濡らしたタオル、中に物を入れたタオルは使わないでください。重さが増えるほど、肘や肩の負担も増えます。

「パチン」と鳴る音の意味

タオルの先が「パチン」と鳴るのは、腕を最後まで振り切れたサインです。振り切れていない子は、なかなか鳴りません。

ただし、手首だけで振っても音は鳴ります。音の大きさで、球が速くなるかどうかは判断できません(それを確かめた研究はありません)。

音は「振り切れたかの目安」として使い、形とセットで見てあげてください。

効果が出ているか、家でチェック

次の3つを、親御さんが横から見てあげてください。

チェックやり方合格の目安
① 振り切って止まれるか投げ終わりの形で止まる10回中8回、2秒ぐらつかない
② 毎回そろっているかスマホで真横から10回撮る10回中8回、踏み出した足の位置が同じ
③ 力んでいないか構えから投げ終わりまで見る肩がすくまず、顔に力が入っていない

③は見落としがちです。音を鳴らそうとして力むと、形が崩れたまま鳴ってしまいます。形が崩れた音には、意味がありません。

ここで大事なことを1つ。シャドーで何を直すべきかは、子どもによって違います。 同じ「バラつく」でも、原因が軸足にある子もいれば、腕の振りや力みにある子もいます。

その見極めは、実際の動画を見ないと正確にはできません。気になる所があれば、まず真横からスマホで撮って見比べてみてください。

回数の目安と、家でのメニュー4つ

どれも狭い場所でできます。回数は目安です。

① 4コマで止めるシャドー(手ぶら)

やり方:4ステップの各コマで2秒ずつ止まりながら、ゆっくり通す。 回数:5回×2セット。 親が見るところ:止まったときに、頭がぐらついていないか。 できているサイン:どのコマでも、止まった形がきれいに保てる。

② 目印に向けて通すシャドー(手ぶら)

やり方:5〜7m先に、親に立ってもらうか、ペットボトルなどの目印を置く。そこへ投げるつもりで、止まらずにゆっくり通す。 回数:10回×2セット。 親が見るところ:目印を最後まで見ていられるか(ピッチャーの目線)。 できているサイン:腕を振る位置が、毎回同じ所にそろう。

③ タオルで振り切る(8割の力)

やり方:作り方A・Bのタオルで、8割の力で振り切る。目安は「息を止めずに振れて、10回続けても疲れない強さ」です。 回数:10回まで。 親が見るところ:手首だけで鳴らしていないか。体全体で振れているか。 できているサイン:力を入れすぎなくても、先が「パチン」と鳴る。

④ 1球だけ投げて確かめる

やり方:②のあとに、5〜7mの距離で実際に投げる。シャドーと同じ感覚で投げられたかを確かめる。 回数:3〜5球。 親が見るところ:シャドーと、実際に投げたときの形が同じか。 できているサイン:「さっきと同じ動きだった」と本人が言える。

頻度の目安:手ぶら(①②)は毎日でも大丈夫です。タオル(③)は、投げる日と同じ扱いで回数を数えてください。実際に投げる練習は、壁当てと組み合わせるのもおすすめです。

大事な注意です。肩やひじに痛みがあるときは、シャドーもタオルもお休みして、続くときは整形外科へ。私たちフォームの専門家は痛みの診断ができません。

やりがちなNG 2つ

NG① 速く・たくさん振る

いちばん多い失敗です。速く振ると、崩れたフォームのまま体が覚えてしまいます。

力むほど、覚えたい「力を抜いて全身でつなぐ」感覚も身につきません(力みと球速の関係)。「100回を雑に」より、「20回をゆっくり正確に」です。

NG② タオルなら負担ゼロだと思って、全力で何十回も振る

「ボールを投げていないから安全」と思われがちですが、ここは注意が必要です。

2023年に米国の肩肘の専門誌で、大学生を調べた研究が発表されました。フェイスタオルを全力で振ると、肘の内側の負担は全力投球の約8割に達したそうです。

手ぶらでゆっくりなら負担は小さいですが、タオルの全力振りは「投げる」に近いと考えてください。まずゆっくり形を作り、次に8割の力で、の順番が安全です。

投Laboの考え方

私自身、体が小さく非力でした。そんな私が独立リーグまで投げ続けられたのは、こうした地味な反復で、正しい形を体に染み込ませたからです。

根性論でたくさん振るのではなく、怪我をさせずに・課題は1つずつ・正しい形をくり返す。シャドーピッチングは、その考え方にいちばん合う練習です。

まとめ

  • シャドーピッチング=ボールを持たずに投球の動きだけをくり返す練習(シャドウピッチングも同じ)。
  • 手ぶらは形づくり、タオルは振り切る感覚づくり。目印を置いて振る位置をそろえる。
  • タオルはフェイスタオルで、端を結ぶか、真ん中を指にかけて握る。
  • 「パチン」は振り切れたサイン。ただし音で球速は判断できない。形とセットで見る。
  • タオルの全力振りは肘の負担が約8割。ゆっくり→8割の順で、回数を数える。

シャドーで固めたいフォームの"今"は、本人にも親にも見えません。何から直すかは子どもごとに違うので、原因まで知りたい方は、動画を見て判断する初回無料の動画分析を使ってみてください。カード情報も要りません。

よくある質問

Q. シャドーピッチングは毎日やっても大丈夫ですか?

手ぶらでゆっくり行うなら、毎日でも体への負担は小さいです。1回は10〜20回をていねいに行えば十分です。

ただしタオルを全力で振る場合は、投げる日と同じように回数を数えてください。疲れているときや痛みがあるときはお休みしましょう。

Q. 1回に何回くらいやればいいですか?

回数より質が大事です。手ぶらは10〜20回をゆっくり正確に、タオルは8割の力で10回までが目安です。

鏡や動画で、4つのコマが毎回そろっているかを確かめながら行いましょう。

Q. タオルはどうやって作ればいいですか?

普通のフェイスタオルで大丈夫です。握り方は2つあります。

端をボールくらいの大きさに結んで握る方法と、真ん中を人差し指と中指にかけて握る方法です。本人が振りやすいほうを選んでください。重いタオルや濡れたタオルは使わないでください。

Q. タオルが「パチン」と鳴りません。ダメなのでしょうか?

ダメではありません。鳴らないのは、腕を最後まで振り切れていないサインのことが多いです。

まずは力を入れずに、体全体で振ることを意識してみてください。音を鳴らすことを目的にして力むと、かえって形が崩れます。

Q. シャドーピッチングとシャドウピッチングは違うものですか?

同じ練習です。英語の「shadow」の書き方の違いで、どちらの表記も使われています。

ボールを持たずに投球の動きをくり返す練習、という意味は変わりません。