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少年野球の球速の平均は?小学生・中学生の学年別の目安と、速くなる順番

公開 2026.07.24更新 2026.09.20投手専門コーチ 野村亮太

快晴の青空の下、少年野球のピッチャーがマウンドから力強く投げ、リリースされたボールが前方の空に見える投球の瞬間の横向きの様子。顔は帽子で特定できない

「うちの子の球速、平均と比べて遅いのかな」。少年野球のピッチャーを持つ親なら、一度は気になりますよね。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。元独立リーグの左投手として、また指導者として、たくさんの小・中学生の投球を見てきました。

結論:

  • 学年別の目安は下の表のとおり。ただし全国を代表する公的な平均値はありません
  • 個人差がとても大きく、目安から外れていても、それだけで問題とは判断できません
  • 同じ学年でも体の成熟に1歳近い差があり、今の数字にはその差も混ざっています

この記事でわかること:

  • 学年別の球速の目安と、「平均」という数字の正しい扱い方
  • 同じ学年でも差が出る理由(体の成熟と生まれ月)
  • 研究でわかっている、球速に関係する体の要素と、家でできるチェック・ドリル

学年別の球速の目安(小学生・中学生)

まず目安から。軟式でのおおよその幅です。

学年が上がるほど球速の目安も上がっていくことを、幅のある帯グラフで示した図。小学1〜2年は60〜70km、3〜4年は70〜85km、5〜6年は80〜100km、中学生は100〜120kmくらい。数字はあくまで目安で個人差が大きいことを添えている

学年球速の目安(軟式)
小学1〜2年60〜70km/h くらい
小学3〜4年70〜85km/h くらい
小学5〜6年80〜100km/h くらい
中学生100〜120km/h くらい

ここで、正直にお伝えしたいことがあります。

学年別の平均球速には、全国を代表する公的な統計がありません。 国や競技団体が全国調査をしているわけではないからです。

実際に計測した研究はありますが、対象は特定のチームや大会の選手です。同じ学年全体の平均とは言えません。

ネットで見かける「小6の平均」も、サイトによってバラバラです。85km/hと書く記事もあれば、90〜100km/hと書く記事もあります。

上の表も、私が現場で見てきた感覚をもとにした投Laboの目安です。研究で決まった基準ではありません。

中学生の球速の目安は? 軟式と硬式のちがい

中学生になると、球速の幅が一気に広がります。同じ学年でも、体の成長がまったく違うからです。

レベルの目安球速の目安
中学1年で投げ始めたころ90〜100km/h くらい
チームの投手として投げている100〜115km/h くらい
地区大会で目立つ投手110〜120km/h くらい

硬式(シニア・ボーイズなど)はボールが重く、同じ子でも軟式とは数字が変わります。軟式の数字と単純には比べられません。

中学生は、学年だけでなく「成長のどの段階にいるか」が大きく関わります。 背が伸びている最中の子は、体の使い方が一時的に崩れて数字が止まることもあります。

「速い」の基準と、100km/hの壁

小学生では、80km/h台が出ていれば十分で、90km/hを超えるとチームのエース級と言われることが多いです。

小学生で100km/hを超える子もいますが、かなりの少数です。「小学生で120km/h」といった数字は、全国でもごく一部の子だと考えてください。

数字が出ていなくても、心配はいりません。小学生で速かった子が伸び悩み、ゆっくりだった子が中学・高校で伸びる——そんな例を、私はたくさん見てきました。

同じ学年でも、体の成熟は1歳近くちがう

同学年の差には、「体ができあがる時期の差」も関係します。

全国大会に出る中学生と、一般の中学生野球選手を比べた研究があります(勝亦ら・2017年)。

身長がいちばん伸びる時期(PHV年齢)は、全国レベルの子が12.3歳、一般の子が13.0歳でした。

生まれ月も合わせて考えると、全国レベルの子は体の成熟がおよそ0.9歳ぶん進んでいると報告されています。

つまり、同じ中学2年生でも、体の中身が1歳近く違うことがあるということ。今の球速の差には、成熟の早さも混ざっています。

身長が伸びれば球速も上がることは、リトルリーグの選手を追いかけた研究でも報告されています(石田・2003年)。成長を待つ時間も、立派な作戦です。

球速には、何が関係している?

「背が小さいから速くならない」と決めつける必要はありません。球速には、体格だけでなく筋力や柔らかさも関係します。

中学の野球クラブチームの投手47名(平均13.4歳)を調べた研究があります(久村・神事・川村/日本トレーニング指導学会)。

分析の結果、次の4つで選手ごとの球速のばらつきの約53%を説明できました。

  • 肩の外旋筋力(腕を後ろへひねる力)
  • 立ち幅跳びの距離(下半身の爆発的な力)
  • 左右の開脚の柔らかさ
  • 股関節の股割りの柔らかさ

ここで気をつけたいのは、この研究が示したのは関係があることで、「鍛えれば球速が上がる」と確かめたわけではない点です。

そのうえで研究者は、こう述べています。下半身をやみくもに鍛えるのではなく、力強さと、股関節まわりの動く範囲のバランスが大事だと。

体が小さくても戦い方はあります(体が小さいピッチャーの戦い方)。今の体格で、可能性を決めつけないであげてください。

球速の土台があるか、家でチェック

研究で扱われた項目も参考にしながら、投Laboでは次の3つを見ています。家でも確かめられるので、お子さんと一緒にやってみてください。

チェックやり方目安
① 下半身の力両足そろえて立ち幅跳びを3回自分の身長の0.9倍以上跳べる(3回中2回)
② 股関節の柔らかさ座って左右に開脚し、10秒キープ上体が前に倒せて、ひざが内側に落ちない
③ 体の連動真横からスマホで10球撮る足が着いてから腕が出る順番になっている(10球中8球)

※目安は、投Laboの指導で使っている練習目標です。研究で決まった合否基準ではありません。できないからといって、すぐに問題があるわけではありません。

3つのうち、つまずく場所は子どもによって違います。同じ「球速が出ない」でも、下半身が原因の子、体の開きが原因の子、力みが原因の子がいます。

その切り分けは、実際の動画を見ないと正確にはできません。気になるときは、まず真横からスマホで10球撮って見比べてみてください。

球速の土台をつくるドリル4つ

ここから先は、研究の結果そのものではなく、投Laboが指導で使っている組み立てです。回数は目安で、週2〜3回、投げない日に入れると続きます。

① 立ち幅跳び

やり方:両足をそろえて、前へ思いきり跳ぶ。着地でピタッと止まる。 回数:5回×2セット。 親が見るところ:着地でぐらついていないか。 できているサイン:毎回ほぼ同じ距離に、止まって着地できる。

② 肩の外旋チューブ

やり方:ひじを体につけたまま、軽いチューブを外へゆっくり開く。反動は使わない。 回数:15回×2セット(左右)。 親が見るところ:ひじが体から離れていないか。強すぎるチューブを使っていないか。 できているサイン:最後の1回まで、同じ速さで開ける。

③ 股割りストレッチ

やり方:脚を左右に開いて座り、背すじを伸ばしたまま上体を前へ倒す。痛みの手前で止める。 回数:20秒×3セット。 親が見るところ:背中が丸まっていないか。ひざが内側に落ちていないか。 できているサイン:同じ姿勢で、前回より少し深く倒せる。

④ 片脚立ちからのシャドー

やり方:軸足1本で立ち、2秒止まってから、ゆっくり投げる動きを通す(ボールなし)。 回数:10回×2セット。 親が見るところ:止まったときに、上体が先に突っ込んでいないか。 できているサイン:10回中8回、同じ場所に踏み出せる。

大事な注意です。肩やひじに痛みがあるときは、ドリルより先に投球を止めて、整形外科へ。私たちフォームの専門家は、痛みの診断ができません。投げすぎのサインは球数の目安にまとめています。

やりがちなNG 2つ

NG① スピードガンの数字を追いかける

「あと5km/h速く」と力むほど、体には余計な力が入ります。フォームは崩れ、投げ込みも増えて、肩ひじの負担が上がります。

球速は気合で出すものではありません。私の指導では、余計な力みを減らして全身の動きを整えたほうが、結果的に伸びる子が多いです。

考え方は力みと球速の関係にまとめました。

NG② 重いボールや器具を急いで使う

下半身の力は大事ですが、成長期に重い負荷を急ぐ必要はありません。まずは自分の体重を使った運動で十分です。

加重ボールについては、効果と怪我のリスクの両方が報告されています(プライオボールは小学生に必要?)。

投Laboの考え方

私は、体も力も特別ではない左投手でした。それでも投げてこられたのは、数字を追うより、痛めない体の使い方を大事にしてきたからです。

子どものころの球速だけでは、将来の実力は判断できません。大事なのは、痛みなく、楽しく、投げ続けられることです。

球速アップの進め方は球速アップの方法に、伸び悩んだときの考え方は球速が上がらないときにまとめました。

まとめ

  • 学年別の球速には目安があるが、全国を代表する公的な平均値はない。
  • 目安(軟式)=低学年60〜70/中学年70〜85/高学年80〜100/中学生100〜120km/h くらい。
  • 小学生は80km/h台で十分、90km/h超でエース級と言われることが多い。
  • 同じ学年でも体の成熟に差がある(勝亦ら)。今の球速差には、成熟の早さも混ざっている。
  • 研究では、肩の外旋筋力・立ち幅跳び・股関節の柔らかさで、球速のばらつきの約53%を説明できた。
  • 数字を追って力むより、下半身・股関節・体の連動を整えるほうが近道。

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よくある質問

Q. 小学6年生です。球速が目安より遅いのですが、大丈夫でしょうか?

球速は体格や成長の早さで大きく変わります。目安から外れていても、それだけで問題があるとは判断できません。

今は数字より、フォームと体づくりを大事にしてください。伸び方には個人差があります。

Q. 中学生の球速は、どれくらいが普通ですか?

軟式では100〜115km/hあたりで投げている子が多い印象です。ただし中学生は成長の差が大きく、同じ学年でも幅があります。

硬式はボールが違うので、軟式の数字とそのまま比べないでください。

Q. 小学生で100km/hを超える子は、どれくらいいますか?

かなりの少数です。「小学生で120km/h」といった数字は、全国でもごく一部の子だと考えてください。

出ていなくても心配はいりません。小学生の時点の球速だけで、将来の実力は判断できません。

Q. スピードガンの数字は、どのくらい気にすべきですか?

参考程度で十分です。数字を追いかけて力むと、フォームが崩れたり投げすぎにつながったりします。

数字より、「痛みなく、良いフォームで投げられているか」を見てあげてください。

Q. 体が小さいと、速い球は投げられませんか?

決めつける必要はありません。たしかに身長が伸びると球速も上がりやすいのですが、それだけで決まるわけではありません。

中学生の投手を調べた研究では、下半身の力や股関節の柔らかさも球速と関係していました。