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野球で左利きに向いているポジションは?有利な理由と、守りにくい場所【親向け】

公開 2026.06.22更新 2026.09.20投手専門コーチ 野村亮太

少年野球のグラウンドで、左手にグラブをはめた左利きの子が守備につく様子。朝のやわらかい光

「左利きだと野球で有利だよ」——そう言われて嬉しい反面、「でも、どこを守らせればいいの?」と迷っている保護者の方へ。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。私自身が左利きの投手として、独立リーグまでプレーしました。

結論:

  • 左利き(左投げ)に向いているのは投手・一塁・外野の3つ
  • 二塁・遊撃・三塁は不利(一塁へ投げるのに踏み替えが要る)。捕手は、実際にはほとんど選ばれない
  • なかでも投手が、左の武器がいちばん長く効くポジション

この記事でわかること:

  • 左利きに向いているポジションと、不利になるポジション(表で整理)
  • 「左利きは不利」と言われる理由と、ルール上どうなのか
  • 家でできる見きわめ方と、今日からの練習

左利きに向いているポジション(一覧表)

まず結論から。左投げの子のポジション適性は、次のとおりです。

左利きが向いている守備位置。投手と一塁は左利きが有利(◎)、外野は問題なし(◯)、捕手・二塁・遊撃・三塁は送球で不利(✕)

ポジション左利きの適性理由
投手◎ 有利希少性が武器。一塁ランナーが正面に見える
一塁手◎ 有利捕ってすぐ二塁・本塁へ投げられる。ベースまわりも動きやすい
外野(左・中・右)◯ 問題なし送球の向きが関係しない
捕手△ ほぼ選ばれない慣習と用具の少なさが大きい。有利な面もある(後述)
二塁・遊撃・三塁✕ 不利一塁へ投げるとき、踏み替えが必要になりやすい

見分け方はシンプルです。「一塁へ、体を回さずに投げられるか」。これだけで、ほぼ決まります。

なぜ内野は不利なのか

右投げの内野手は、打球を捕った流れのまま、一塁へ投げられます。

左投げだと、捕る位置や体の向きによっては、投げる前に足を踏み替える必要が出てきます。

内野ゴロは、コンマ数秒でアウトとセーフが分かれます。その一手間が、同じ守備力なら右投げが選ばれやすい理由です。

捕手はどうなのか(有利な面もある)

捕手は、内野とは事情が違います。

よく言われるのは「二塁へ投げるとき、右打者が投げる腕の側にいて邪魔になる」という説明です。

ただし、この不利がどれくらい大きいかは、はっきりしていません。メジャーの実データを分析した記事では、打者の左右による盗塁阻止の差は確認されませんでした。

逆に、三塁線寄りのバント処理では、左投げのほうが一塁へ投げやすいという利点も指摘されています。

それでも実際にはほとんどいません。理由は、慣習と、用具や指導の前例が少ないことのほうが大きいと私は見ています。

「左利きは野球で不利」は本当? ルール上はどうなのか

まず、ルールで禁止されているポジションはありません。左投げの子が捕手や遊撃を守っても、規則の上では問題ないのです。

用具もあります。左投げ用のキャッチャーミットは、メーカーから市販されています(数は少なめです)。

実際、メジャーリーグで最後に左投げの選手が捕手として出場したのは1989年です(ベニー・ディステファノ選手)。以来、1人も出ていません。

つまり「左利きは不利」というより、守る場所によって有利にも不利にもなるというのが正確です。向いている場所を選べば、左は武器のままです。

左利きは、なぜ「有利」と言われるのか

いちばんの理由は、左が少ないという希少性です。

プロ野球の登録選手を集計したデータ(2020年時点)では、投手の左投げは約29%、選手全体では約17%でした。

打者は右投手の球を見慣れています。左投手との対戦経験が少ない打者には、その不慣れが有利に働くと私は考えています(くわしくは左ピッチャーとは?有利な理由)。

ただし、この有利さが活きるかどうかは、どのポジションを守るかで変わります。守備の向き・不向きと、セットで考えてください。

いちばんの武器は、やっぱり「ピッチャー」

向いているポジションのなかでも、私がすすめるのはピッチャーです。

私の経験では、進学して上のレベルへ行っても、左投手として期待される場面が続きました。数が少ないぶん、必要とされやすいのだと思います。

私のように球速や体格で勝りきれなくても、「左の希少性+正しいフォーム」で戦えます

牽制やクイックの活かし方は左ピッチャーの牽制とクイックにまとめました。

どのポジションが向いているか、家でチェック

守備の向き・不向きは、家の前でも確かめられます。次の3つを見てあげてください。

チェックやり方目安
① 一塁への送球転がした球を捕って、一塁方向へ投げる(10球)捕ってから投げるまで、体が大きく回らない(10球中7球)
② 捕ってから投げるまでの速さ①を、右投げの子と交互にやってみる明らかに遅れていないか
③ ベース付近の動き一塁ベースを踏みながら捕る形を10回ベースを踏んだまま、体を回さずに捕れる

※目安は、投Laboの指導で使っている練習目標です。研究で決まった基準ではありません。

①で体が大きく回る子は、内野より投手・一塁・外野のほうが力を発揮しやすいです。

ただし、同じ「投げるのが遅い」でも、原因は子どもによって違います。 利き手の問題ではなく、捕り方や足の使い方が原因のこともあります。

その切り分けは、実際の動きを見ないと正確にはできません。投げ方が気になるときは、まず真横からスマホで10球撮って見てみてください。

左の武器を育てる練習4つ

回数は目安です。週2〜3回で十分です。

① 一塁へのショートスロー

やり方:7〜10mの距離で、転がした球を捕って、その流れのまま投げる。 回数:10球×2セット。 親が見るところ:捕ってから、体を余計に回していないか。 できているサイン:10球中7球、止まらずに投げ切れる。

② 一塁ベースの踏み替え

やり方:ベース(代わりの目印でOK)を左足で踏み、送球を捕る形を作る。 回数:10回×2セット。 親が見るところ:ベースから足が離れていないか。 できているサイン:捕る・踏む・振り向くが、1つの動きになる。

③ 外野からの返球ステップ

やり方:助走をつけて、2歩のステップから投げる。強く投げなくてよい。 回数:10球×2セット。 親が見るところ:足が最後まで投げる方向へ向いているか。 できているサイン:投げ終わりに、体が横へ流れない。

④ ピッチャーを試すシャドー

やり方:ボールを持たず、投げる動きをゆっくり通す。軸足は左足、踏み出す足は右足です。 回数:10回×2セット。 親が見るところ:右足が毎回同じ場所に着いているか。 できているサイン:10回中8回、同じ場所に着地できる。

大事な注意です。肩やひじに痛みがあるときは、練習より先に投球を止めて、整形外科へ。私たちフォームの専門家は、痛みの診断ができません。投げすぎのサインは球数の目安にまとめています。

やりがちなNG 2つ

NG① 右利きに「直す」

左利きは武器です。わざわざ捨てる必要はありません。

書く手と投げる手が違う子もいますが、それも問題ありません(左利きの子は右投げに直すべき?)。

NG② 左だからと、変則や角度づけを急ぐ

「左はクセ球で勝負」と早くから変則を仕込むのは、肩やひじの負担になりかねません。

希少性があるからこそ、基本のフォームで十分戦えます(投球フォームの正しい作り方)。

投Laboの考え方

左利きの子にとって大事なのは、「どこを守るか」を早めに見きわめることです。向いていない場所で我慢していると、せっかくの武器が活きません。

ただし、低学年のうちは、やりたい守備をやらせてあげてください。いろいろな経験は財産になります。

そのうえで学年が上がったら、投手・一塁・外野のどこで伸ばすかを、本人と話し合ってあげてください。

まとめ

  • 左利きに向いているのは投手・一塁・外野。二塁・遊撃・三塁は一塁送球で不利、捕手は実際にはほとんど選ばれない。
  • 見分け方は「一塁へ、体を回さずに投げられるか」。
  • ルールで禁止されているポジションはない。左投げ用のキャッチャーミットも市販されている。
  • 有利の正体は希少性(プロ野球の投手の左投げは約29%)。
  • なかでもピッチャーは、数が少ないぶん必要とされやすい(私の経験から)。

「うちの子の左、ピッチャーで活かせるかな?」と思った方へ。フォームは自分では見えません。

初回の動画分析は無料です。カード情報も要りません。お子さんの"左の武器"が活きているか、客観的に見るところから始めてみてください。

よくある質問

Q. 左利きの子がキャッチャーをやりたがっています。やめさせるべき?

低学年のうちは、やりたい気持ちを優先して大丈夫です。いろいろな守備の経験は財産になります。

ただ、上のレベルでは左投げの捕手はほとんどいません。学年が上がる時期に、本人と選択肢を話し合ってあげてください。

Q. 左利きが守れないポジションは、ルールで決まっているのですか?

いいえ。ルール上の制限はありません。左投げの子が捕手や内野を守っても、規則の上では問題ありません。

捕手が選ばれにくいのは、慣習と、用具や指導の前例が少ないことが大きいと考えられます。左投げ用のキャッチャーミットは市販されています。

二塁・遊撃・三塁は理由が違います。一塁へ投げるときに踏み替えが必要になりやすく、動作のうえで不利になるからです。

Q. 左利き用のグラブはどう選べばいいですか?

「左投げ用」と表記されたグラブを選んでください(右手にはめるタイプです)。

お店で「左投げです」と伝えれば間違いありません。サイズは学年より手の大きさに合わせます(左利きの子のグローブはどっちの手?)。

Q. 左利きは打者としても有利ですか?

ここで混同しやすいのですが、投げる手と、打席の左右は別です。左投げでも右打ちの子はいます。

左打ちをする場合は、一塁に近い打席から走り始められます。打つほうの左右は、守備とは別に考えてください。

Q. ピッチャーはいつから始めるのがいいですか?

決まった年齢はありません。キャッチボールで、ねらった所へ投げられるようになってからが目安です。

まずは正しいフォームづくりから。左の希少性は、土台の上でこそ活きます。